このインターンシップの実施は、石川県能登地震の被災地支援につながるとともに、学生たちにとっても価値ある学びの場となりました。このプログラムを通じて、学生たちは災害現場での直接的な経験を積むことができたとともに、災害復旧の現実と課題に直面しました。具体的な活動としては、全壊・半壊した建物の撤去作業をするために必要な「荷物の搬出支援」を中心に行いました。この作業は単なる物理的な労働ではなく、被災者の心情に寄り添いながら進める繊細さを要する作業であったため、学生たちは単に技術的なスキルだけでなく、コミュニケーション能力や思いやりの重要性についても学ぶことができました。
また、被災地域の高齢化が進んでいることは、復旧作業における大きな障壁となっています。高齢者の多い地域では、自力での荷物の搬出や建物の撤去が困難であり、学生たちはこのような状況下での支援の必要性と方法について深く理解を深めることができました。この経験は、将来的に社会的な問題解決に取り組む上での貴重な洞察を提供するものであり、社会貢献への意識を高めるきっかけとなりました。
そしてこのインターンシップは、災害教育の重要性を学生に浸透させる機会となりました。現場で学んだ知識と経験は、教室で学ぶ理論やデータだけでは得られないリアルな学びであり、学生たちにとって具体的な災害対策の理解を深めることができました。特に、災害発生直後の対応だけでなく、長期にわたる復旧・復興のプロセスにおける多角的な視点が求められるため、これらの経験は学生たちの将来的なキャリア形成においても非常に有益であると言えます。インターンシップを実施した学生は、帰りの道中での振り返りの時間のなかで、早くも次のアクションを計画しています。
このように、RQ災害教育センターでのインターンシップは、学生たちにとって単なる学問の適用ではなく、実社会で役立つ知識とスキルの習得、そして社会に対する深い洞察と貢献の意識を養う絶好の機会でありました。学生たちは、この経験を通じて自らの学びを社会のニーズと照らし合わせ、今後の学びやキャリアの方向性を考える基盤を築くことができました。今回のインターンシップの経験を学生生活で、そしてこれからのキャリアに役立てていくことを期待しています。
総合経営学部
後藤 欣司
5月1日から実施したインターンシップ、災害支援の振り返り@池田修真
現地でできた全国から集まる同世代の仲間
※各地域をまわって使われてきた軽トラには復興応援のメッセージが記載されている