主権者教育めぐり青森市選管職員と学生が車座トーク

青森大学の授業「キャリア特別実習」で7月3日、青森市選挙管理委員会事務局の方々を招いて、学生との「車座トーク」を行いました。青森市明るい選挙推進協議会の会長や委員、青森市議会議員ら約20人が参観し、若者の投票率向上や主権者教育の在り方をめぐって、和やかに、しかし熱っぽい対話が繰り広げられました。

車座トークは、同実習を舞台に2023年、青森県選挙管理委員会・青森県明るい選挙推進協議会主催の投票率向上啓発イベント「ヤングフォーラム2023」が開催されたことがきっかけとなって、青森市選管の提案により実現しました。

青森キャンパスとむつキャンパスをネットで結び、総合経営、社会、ソフトウェア情報の3学部の1~4年生およそ55人が参加しました。このうち青森キャンパス3人、むつキャンパス1人の計4人がコアメンバーとして、青森市選管事務局の太田慎二主幹、村上和明主査との対話に臨みました。

トークに先立ち、太田主幹が青森市の投票状況について、(1)衆議院議員選挙は近年、50%前後で推移している、(2)市長選挙も50%前後ながら、県知事選挙と同日選になった2023年は市民の関心が高まって投票率が60%近くまで上昇した、(3)同じく県知事選挙も約60%と高かった、などと解説しました。

さらに、長年の懸案となっている投票率の向上に向けて、投票をしないと罰金を科される国々の制度にも触れながら、小中学校での模擬投票、新有権者へのはがきによる投票呼び掛け、子ども連れで投票へ出掛けるキャンペーンの展開といった取り組みを紹介しました。

トークでは、コアメンバーから「中学3年の時に模擬投票を体験したことがきっかけになり、選挙や政治が難しいという感覚が薄れた。模擬投票は毎年すべての学校で実施されている訳ではないので、何とか全校を対象にできないか」という質問がありました。市選管側が「中学校は毎年2校と割り当てが決まっている」と回答したのに対し、「模擬投票をVR(バーチャル・リアリティー)などで体験できるアプリを開発してはどうか」という意見が出ました。

さらに、「若者は自分が投票しても社会が変わらない、と感じている。そもそも候補者を知らず魅力も感じない。家庭や地域ぐるみで、親とか周りの大人が、政治的中立性を保ちながら政治についての考え方を育てる教育環境が必要だ」という提起があり、市選管側は「若い人にとって政治は身近ではないのだろうと思う。しかし、年齢を経るにつれていろんな社会経験を重ね、子育てに優しい政策に興味がわくといった変化が起きるのでは」とコメントしました。

加えて、コアメンバーから「学校の授業の一環として選挙を採り入れてはどうか。選挙公約ももっと分かりやすくする必要がある。また、投票に行ったらいろいろな特典がある選挙割をもっと普及させてほしい」という声が上がり、「いっそのこと、模擬投票を保育園や幼稚園の子どもにも簡略化して実施しては」という提案もありました。

また、ヤングフォーラム2023に参加していた会場の学生からは「投票率を上げることがゴールになっているような気がする。ゴールは青森県をもっと住みやすい街にすることでは。そういう政策を示した議員がいれば、おのずとみんな若い人たちの投票率も上がっていくはず」という指摘があり、拍手が上がりました。

1時間半にわたるトークを通じて、若者の声を聴くこと、若者自身が声を上げていくこと、多様な組織や人が新しい協力関係をつくりながら、多様な対策をあらためて一緒に考えていくことの必要性を確認しました。

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