講義紹介|薬学部

薬学では、非常に幅広い分野の科目を数多く学びます。その中で基本となる、高校で学んできた「物理」・「化学」・「生物」が関連する1年~2年の「基礎薬学」の科目の一部を紹介します。

1年次

化学と生物の基礎【1年次 基礎スタンダード科目】
科学の世界は急速に進展している学問であり、常に新しい知識が必要となります。新しい情報を正確に判断するうえで、分野のつながりや視点を理解することも不可欠です。この科目では、俯瞰的に「化学」と「生物」のトピックスを学びます。病気や薬との関係についても学びます。

薬学での学び方【1年次 薬学演習】
薬学および自然科学を学ぶスキルを身につけることを目的とした演習です。読解力や論理的思考力、文章の要約、ノートテイキング等に取り組むことよって主体的に学ぶ準備が整います。それぞれ、自分なりに工夫すべきことが見つかるはずです。それらを踏まえて、勉強のやり方を考えることになります。

基礎物理化学・基礎化学・生命科学【1年次 基礎薬学】
高校で学んだ物理、化学、生物の内容を薬学専門科目につなげるための科目です。高校の内容の復習に加え、大学レベルでの新しい知識を学び、薬学の基礎を固めます。

生化学Ⅰ【1年次 基礎薬学(生物系)】
われわれのからだがどのような物質で構成されているかを知ることにより、生命の仕組みや、そのバランスが崩れることによる病気との関係を総合的に理解できます。生化学Ⅰでは高校で学んできた生物と化学を融合させ、生命を構成する細胞と、細胞を構成する物質として糖質、脂質、アミノ酸および核酸の化学構造と生体における役割について学びます。

有機化学Ⅰ【1年次 基礎薬学(化学系)】
医薬品や生体分子の根幹を成す物質は有機化合物です。この科目では、有機化合物の基本骨格である炭化水素の命名、構造式、立体構造、物理的および化学的性質について学びます。生命に関係する物質のバックボーンについて学びます。

物理学実習・化学実習・生物学実習【1年次 実験実習】
薬学生になって初めての実験実習です。基礎科学実験に必要な基本的手技を習得します。また、実験を行うことによって、教科書に出てくる事象を実際に体験することで基礎物理化学、基礎化学、生命科学、生化学の理解を深めます。

2年次

生化学Ⅱ【2年次 基礎薬学(生物系)】
生命活動は生体エネルギーによって成り立っています。からだの中で行われる化学反応を代謝といいます。われわれは代謝によって食物から生体エネルギーや、からだにとって必要な物質を作り出しますが、その仕組みや調節の仕方を勉強します。生化学Iで学んだ糖質、脂質、アミノ酸がどのように代謝され、どのような物質ができるか、ビタミンが代謝にどのように関与するか、また代謝と病気や薬との関係についても学びます。

細胞生物学【2年次 基礎薬学(生物系)】
生命の構成単位である細胞の増殖、エネルギー代謝、細胞死などのさまざまな生命現象は、細胞内外の物質や、情報を受けとるアンテナの役割をする「受容体」を介して引き起こされます。薬は、この「受容体」に作用するものが多数あります。「受容体」の構造や機能、情報のやりとりの仕方を学び、これにより生命現象のしくみを理解します。さらにがんなどの疾患との関係について勉強します。

免疫学【2年次 基礎薬学(生物系)】
自分の体の中に侵入してくる異物を排除する仕組みである「免疫」について学び、この「免疫」が働かなくなることで起こる病気や「免疫」を利用して病気を治療する方法について勉強します。

有機化学Ⅳ【2年次 基礎薬学(化学系)】
医薬品の多くは有機化合物であり、様々な構造を有しています。その中でも特に重要な特殊な環構造について学びます。また、化合物の物理的性質として重要な、有機化合物の酸性度・塩基性度を学ぶことにより、体内での状態や受容体との結合につながる基礎を学びます。

機器分析学【2年次 基礎薬学(物理系)】
医薬品や毒物、化学物質である有機化合物の構造を決めることは、薬や毒としてどのように体内で働くのかを理解する上で重要です。有機化合物の構造を調べるために、多くの装置が電磁波を利用して行われています。また、病気の診断においても電磁波を利用した装置が利用されています。電磁波の基本的な性質を学び、様々な装置の原理や測定方法に加え、データの解析方法を勉強します。

有機化学実習・天然物化学実習【2年次 実験実習】
基本的な化学合成、機器分析を行なうことにより、化学物質(医薬関連物質)の構造と性質、反応を学ぶとともに、簡単な医薬品である物質を合成します。また、生薬の各種試験を通して、天然に存在する植物とその薬となる成分について学びます。さらに、生薬・漢方薬として用いられる実際の植物や乾燥したサンプルを観察し、基本的事項を体験、学習します。